行政書士試験は、合格率が毎年約10%程度で推移している日本有数の難関試験です。
一発合格する受験者もいますが、その反対に何度も不合格となってしまう受験者も多い試験でもあります。
しかし、よくよく分析をしてみると、行政書士試験に受かる人と受からない人にはある違い(共通点)があります。
そこで今回は、行政書士試験に受かる人と受からない人の違い(共通点)について解説させて頂きます。
行政書士試験に受かる人受からない人の違いとは
行政書士試験は半年で受かる人もいれば、何度も落ちてしまい、なかなか受からないという人もいます。
どうしてここまで受かる人と、できない人の差が生まれてしまうのか。
実際に、行政書士試験を受験して受からない人の声や口コミなどを分析すると、そのほとんどは、過去問とテキストの勉強に力を入れすぎて、本試験で「合格点を取る対策」が疎かになっているということが分かります。
一方で、行政書士試験に受かる人は、過去問とテキストだけでなく、効率的に点数を稼ぐ方法や、重点的に勉強すべき分野など、「試験対策」をしっかりと行っている傾向が見られます。
つまり、単に過去問やテキストで知識を詰め込むだけではなく、いかに試験対策を行っているかどうかが合格のカギになります。
行政書士試験に受かる人の特徴
試験範囲の知識を詰め込むだけではなく、試験対策をしっかりと行うことが行政書士試験に受かる人とそうでない人の大きな違いですが、他にも「行政書士試験に受かる人の特徴」としては、次のような点が挙げられます。
特徴1:コツコツとスケジュール通りに取り組むことができる
行政書士試験に合格するために必要とされている勉強時間は平均約600〜800時間と言われています。
約600〜800時間もの勉強をするためには、スケジュールをしっかりと立て、コツコツと取り組むことが何より重要です。
やはり、行政書士試験に受かる人の多くは、毎日時間を決めて、目標を決めて、勉強に取り組んでいる人が多い傾向があります。
実際に、勉強のスケジュールを作成する時のポイントは以下の3つです。
- 平日と休日で何時間勉強できるのか棚卸しをする
- 講義の視聴・テキストの確認・問題の演習にどれくらい時間がかかるのか確かめる
- 常に進捗を確認して、軌道修正ができる(前倒しや後ろ倒し)
上記をすることで、試験までにどれくらい勉強できて、どれくらい進めることができるのがある程度明らかになります。なお、仕事の繁忙期や時に風邪をひいてしまうこともあるので、そういった日のことも考慮した時間を概算するとよいでしょう。
なお、初学者であれば、テキストの確認や問題演習は3週できるくらい前倒しで進めておけば安心だと思います。
特徴2:力を入れるべきところがある程度分かっている
人は基本的に自分の得意な項目や、覚えやすく比較的簡単な項目を自然と優先して勉強してしまう傾向があります。
しかし、それでは行政書士試験のような、範囲が広く、難易度も高い試験に受かることは難しく、合格へのカギは「どの項目をどの程度学習するかのバランス」です。
行政書士試験は範囲が膨大なため、全てを勉強する必要はなく、試験で出題数が多いところを勉強した方が全体の得点が上がり、着実に合格へと近づけます。
例えば行政法は112点、会社法は20点の配点がありますが、受かる人はここで「行政法」に力を入れて学習をします。
配点が高いものを優先し、配点が低いものは最低限の学習に収めることにより、合格基準である180点をクリアし、受かることができるのです。
つまり、満点である300点を目指した学習をするのではなく、合格点の180点を取るための学習をするのが大切です。
「力を入れる科目」については次の記事で解説していますのでご参考までに。
特徴3:1つの教材を徹底的に学習してから次の教材に移っている
行政書士試験は教材の種類が豊富で、数多くの出版社が教材を販売しています。
どの教材を買っても書いてある内容はほとんど同じですが、基本的に各社が過去の行政書士試験を分析した内容が基となっているため、A社のテキストに書いてあることがB社のテキストには書いていないなんてことも、よくあります。
だからといって、同時に複数のテキストに手つけてしまうと、教材によって言い回しなどが違ったりするため勉強方法としては非効率です。
そのため、学習する教材をまずは1つに絞り、それを徹底的に学習して知識がしっかり身についた状態で次の教材に移るというやり方がオススメです。
また、試験に受かった受験生のほとんどがこのやり方で学習を行っているので、地道ではありますが、着実に合格へ近づけます。
なお、資格学校を利用している方であれば、配られた教材+他校の模試(余裕があれば)だけで十分です。
行政書士試験に受からない人の特徴
行政書士試験に受からない人の特徴は、ざっくり言えば、「学習方法が定まっていないこと」です。
受からない人の特徴について、1つひとつ細かく見ていきましょう。
特徴1:自己管理ができない
行政書士試験合格に必要な勉強時間は約600〜800時間と言われているので、スケジュールを立て、それを着実にこなしていくことが何より重要です。
こういったスケジュール管理など、自己管理能力も試験合格には重要な要素の1つです。
試験に落ちてしまう人の共通点としては、こういった自己管理の不十分さも挙げられます。
例えば、勉強を始めてもすぐにスマホをいじってしまう、起きて勉強する予定だったのが2度寝をしてしまう、勉強してもテレビが気になるなど、こういったことが日常的に起こってしまう人は資格学校に通うのが一番の対策です。
資格学校は万単位のお金がかかるので、「払ったからにはやるしかない」という状況に自分を追い込み、勉強しやすい環境に行くことがオススメです。
特徴2:そもそも学習方法が分からない
行政書士試験の範囲は膨大なので、知識を詰め込むだけでは受かりません。
効率的かつ試験に受かるための学習方法を実践しなければ、いくら勉強時間が長かったとしても試験の得点につながっていきません。
このように、そもそも行政書士試験を突破するための学習方法が分からないというのも、受からない人の特徴の1つです。
試験突破のための学習方法が分からないという方は、資格の学校に通うのがオススメです。
なぜならば、資格学校にはこれまで多くの試験合格者を輩出してきた実績や経験があります。
また、「こう勉強すれば一番効率良く試験合格に向けた勉強ができる!」という独自カリキュラムをたいていの資格学校は持っています。
学習方法が分からないという人は、「資格学校が提唱する独自カリキュラム」に則って計画的に学習するのが一番です。
特徴3:テキストをしっかりと読み込んでいない
行政書士試験は、過去問題集を「ただ暗記」しただけでは受かりません。なぜならば、毎年過去問の焼き直しは出題されますが、「新しい問題も出題される」ためです。
その新しい問題に対応するためには、テキストを読み込んで「法の趣旨や判例」を体にしみこませることが重要です。
私は行政書士試験ではありませんが社会保険労務士試験の1回目の受験の際に、過去問10年分を完全暗記状態で挑みましたが、不合格でした。敗因は本試験で今までと違う角度から問題が出題されたためです。
いろんな角度から出題をされても対応できるように「読み飽きた」と思えるくらいテキストを読み込みましょう。
なお、1つ勘違いしないで欲しいのが、2~3週した後は、テキストは『辞書』のように使うことがオススメです。
なぜならば、テキストを読むのは、かなりの時間を使うからです。ある程度覚えた後は、問題演習で間違える度に振り返る辞書として使っていきましょう。
特徴4:問題集や過去問を解くことが作業になっている
本試験を突破するにはテキストを読み込むだけでは不十分です。
問題集や過去問演習を繰り返して覚えた知識を使いこなせるようにしなければなりません。
しかし、問題演習はかなりの曲者です。長い間勉強を続けていると、問題集や過去問を解くのがどうしても「作業的」になりがちです。また、解きすぎて正解肢を覚えてしまうということがあります。
そういった場合に効果的なのは、「反対側から解く方法」や「本試験のように解く時間に制限を設ける方法」があります。
単なる作業にならないように一工夫加えてマンネリ化を打破しましょう。
特徴5:模試を受けない
行政書士試験に落ちる人は、問題演習はやるものの「模試や答練」の擬似的な試験を受けない人がとにかく多い傾向があります。
受かりたいなら模試は絶対に受けるべきです。なぜならば、本試験には「プレッシャーと言う魔物」がいるからです。
模試を受けることで、普段は気にしていなかった睡眠不足などの生活習慣の悪い点に気付くことができるでしょう。また、普段は気にしていなかった時間制限や高難易度の問題に触れることで、勉強の詰めが甘かったことにも気づくでしょう。
本当に些細なことですが、お昼に何を食べるかまで、合格者の方は決めています。要は、本番と言う緊張する場面でいかに「いつも通りのパフォーマンス」をだせるかが重要となります。
早い段階で模試を受けて、本試験までに軌道修正しましょう。
行政書士試験は自己管理を徹底して、いかに要領よく勉強できるかが合格のカギとなる!
今回は行政書士に受かる人と受からない人の違いについて具体的に解説しました。
行政書士試験に受かる人はスケジュール管理ができ、力を入れるべきところがしっかりとわかっており、合格に直結する学習方法を取れている点が共通しています。
一方で、受からない人はそもそも力を入れるべきところが分かっておらず、単に知識の詰め込みになっていたり、スケジュール管理など自己管理不足などが共通しています。
このように受かる人と受からない人それぞれの共通点から、行政書士試験は自己管理を徹底して、いかに容量良く、試験に受かるための勉強ができるかが合格のカギとなることが分かります。
この記事は2022年12月の情報に基づきます。
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